はじめまして。今回は、私が初めて任された入札案件から始まり、最終的にポータルサイト導入まで携わったプロジェクトの経験を紹介します。半年という短いスパンではありましたが、入札から仕様策定、ステークスホルダーとの交渉までを一貫して担当し、多くの学びを得ることができました。
入札の経緯
入社後、最初に任されたのがこの入札業務でした。
- 提案内容のポイント
- 具体性・実現性:公的機関が必要としている機能や要件を明確に示す。
- 意外性(差別化要素):他社と差別化できる提案を盛り込み、入札で優位に立つ。
しっかりと市場調査を行い、課題を踏まえた上で具体的な企画を提案した結果、見事に落札。プロジェクト自体もそのまま私が進行を任されることになり、実務経験を積むうえで大きなステップとなりました。
業種・プロジェクト概要
今回のプロジェクトは、公的機関の民間交流を支援する「交流ポータルサイト」を構築する案件です。
- 公的機関と民間企業・団体そして、個人の交流を促進するためのポータルサイト
- 機能要件は大きく分けて、情報発信・参加申し込み・データベース連携など
期間
- 全体の期間:半年ほど
- 企画立案・仕様策定に約2か月
- 開発・デザイン・テストを含む実装工程に約4か月
企画立案・仕様策定
最初に行ったのはステークスホルダーへのヒアリング。その上で以下のドキュメントを作成しました。
- 企画書:サイトの目的や価値、主な機能を可視化
- 要求仕様書:サイトに必要な要件を一覧化
- サイトマップ:全体構造を示し、ページや機能の関連性を整理
要求仕様書とサイトマップへの合意が得られた段階で、デザインや詳細開発に着手しました。今回は、デザインのトップページおよびセカンドページが1回のクライアントチェックでスムーズにOKとなり、プロジェクトの初期は非常に順調でした。
私の役割とチーム構成
私の役割
- プロデューサー
- 入札・企画立案
- ステークスホルダーとの折衝や提案
- プロジェクトマネージャー
- スケジュール管理、リスク管理、進捗管理
- システムエンジニア
- 要求仕様書の作成
- 基本設計(仕様書、サイトマップ、画面リスト、画面詳細図、ユースケース図など)
- 受入テスト(テスト仕様書作成含む)
その他のメンバー
- プログラマ(1名)
- フロントエンド・バックエンドを兼任
- デザイナ(1名)
- トップページ、セカンドページのデザインと主要画像の作成
- ステークスホルダー(クライアント担当者)
- 意思決定者として仕様や納品物を最終確認
トラブルと解決策
1. コンテンツの見直し依頼
納品2か月前、ステークスホルダーから「サイト内の日本語表現を見直ししたい」という依頼を受けました。すでに私が文章を作成し、実装段階に入っていたものの、改めて大幅なチェックが入った形です。
対応方法
- 開発スケジュールを圧迫しないよう、すべての文章修正は私が担当
- プログラマに余計な負担をかけず、HTMLテンプレートのテキストを集中して書き換え
結果的にスケジュールに影響を与えず、品質向上につなげることができました。
2. ステークスホルダー交代と機能追加要望
納品1か月前にクライアント担当者が異動となり、新任の担当者へ引き継ぎが必要になりました。しかも、この段階で新たな機能追加要望が出され、「これがなければ納品は受け付けられない」という状況に。
課題
- 納期まで1か月を切っており、開発期間が足りない
- 追加予算が厳しい中で、要望をどう実現するか
対応方法
- 「明らかに新機能である」ことをクライアントと認識を共有
- 新機能を実装し、テストを完了するまでに2か月程度の追加期間が必要であることをクライアントに提示
- 上司と相談のうえ、追加予算なしで要望を受け入れる決断をし、今後の関係強化を優先
結果として、短期的にはコストが増大しましたが、クライアントに対する対応の柔軟性や誠実さが評価され、その後も良好な関係が続くきっかけとなりました。
まとめ
初めての入札から始まり、プロジェクトマネージャーとしてのスケジュール管理、システムエンジニアとしての基本設計・テストまでを一貫して担当したことは、大きなやりがいを感じる経験でした。途中で担当者が交代し、機能追加という想定外の事態も起こりましたが、最後までポジティブに取り組むことで、プロジェクトを予定通り進めることができました。
- 明確なドキュメントと合意形成
- 企画書・要求仕様書・サイトマップを早期に用意し、関係者と認識を合わせる
- ステークスホルダーとのコミュニケーション
- 担当者交代や追加要望などリスクを想定し、柔軟に対応できる体制を作る
- チーム全員のモチベーション維持
- 納期直前でも無理な負荷がかからないよう役割を明確化
これらを徹底することで、スムーズにプロジェクトを完了させることができました。今回の経験から、「想定外の事態が起きても、その都度コミュニケーションとタスクの再調整を行うことで、プロジェクトを成功に導ける」という学びを得られたと感じています。今後も、こうしたポータルサイト導入案件や公的機関との共同プロジェクトに携わる際は、最初の段階でリスクヘッジを行いつつ、ステークスホルダーと二人三脚で進めていきたいと思います。